健康的で安全・安心な家にするために

前回は、防犯・防災面で、家の安全・安心をお話ししました。

今回は、健康面についての安全・安心を解説します。

家を建てる際、国が定めた建築基準法に則って建築する必要があります。

建築基準法では、様々なことが決められていますが、その中で

「これ以下の性能の家は建ててはならない」

という基準があります。

健康被害が懸念されるような粗悪な家は許さんぞ!ということなのですが、残念ながらその基準が甘々なのです。

というか、ザルです。

建築業界に忖度しているのか、政治家が建築業界の支持を失うのが怖いのか・・・。

どちらにせよ、国の定める建築基準法はザルだという認識で間違いありません。これから注文住宅を建てる方は、覚えておいてください。

建売住宅を購入される方も覚えておいてください。

よほど性能に特化した問題意識を持つビルダーでない限り、わざわざ価格が高くなる高気密・高断熱で快適で安心な家は建てないと思っておいた方が良いです。

そこで、各団体が快適で安心して住める基準を設けているわけですが、山形県と鳥取県は、独自にかなり高い断熱基準を設け、省エネ住宅を推奨しています。

何故でしょう。

それはヒートショック対策です。

日本における年間のヒートショックによる死者は、実に1万7000人と言われています。

これ、何とも思いませんか?

要は、家の断熱性能と気密性を上げて、外気温に左右されにくい性能を確保してヒートショックを予防しましょう。というものです。

素晴らしい施策だと思います。

何せ国の基準がザルですからね。

ちなみに、欧州の建築基準の最低レベルでも、日本ではかなり高性能な住宅になるほどの差があります。

欧州では、「快適に家で過ごすことは人権である」という考えのもと、国によって違いますが、室温が16~18℃を保てない家には解体命令を出せたり、保険料金も割高になったりします。

住まいの寒さをリスクと捉えている訳です。

日本には全くそのような考えや基準や規制はありません。

一部のビルダーを除き、建築業界にもそのような認識はありません。

それは、買う側の大多数の消費者にそのような認識がないからです。望まないからです。

その現状を打破しようと情報発信されている方々もおり、徐々に意識が高まってきてはいます。

私も家造りをきっかけに問題意識を持てた一人です。

しかし、現状では施主が自分で考え、自分でビルダーに要望して性能を上げるほかないのです。

確かにお金はかかります。

でも、健康には変えられません。健康を崩せば、もっとお金がかかるし、命そのものも失いかねません。

建売住宅でも、リフォームで断熱性能を上げることはできます。

失った健康や命は戻らないので、失う前に対策を講じましょう。

具体的には、ZEH基準+気密C値1以下を目指すべきです。

最低でも、窓の性能だけは上げましょう。

日本の住宅性能で一番劣っているのが窓です。

欧州とは気候が違う?

いえいえ、気候が似ているお隣の韓国でも、ちゃんと日本にはない窓の省エネ基準を設けて義務化しています。

少し前までは、日本の最高性能の窓が韓国の最低基準レベルでした。

これが現実です。

家の中で、窓から一番熱が出入りしています。それは40%前後にもなります。

だから、窓の性能を上げるだけでも、かなり快適な家になるのです。

住宅の窓枠(サッシ)に未だにアルミを多用しているのは、先進国では日本くらいです。

主流は樹脂、もっと性能を求めるのであれば木です。

アルミは熱を伝えやすく、そこからガンガン熱が出入りします。

アルミサッシの窓って、触ると冬は冷たく夏は暑いですよね。

それって外の熱をビンビン伝えている証拠です。

冷暖房の効きが悪くなって省エネに劣るだけでなく、結露もしやすくカビ等の原因になって喘息等の健康被害にも影響します。

昔の窓って暖房使うとビショビショに結露してましたよね?

結露は、健康被害だけでなく、サッシの結露は壁内を腐らせて建物そのものの寿命も著しく縮めます。

窓にかけるコストなんか、光熱費で元が取れます。

アルミサッシの窓を、北面だろうがとにかく大きくとって明るいお家に・・・って絶対に後悔します。

建売には、その選択肢すらありません。

あと、日本では一般的な引き違いの窓も気密性を損ないます。

クレセント錠をあけて横にガラガラと開ける窓です。

レールの上を動く構造のため、どうしても隙間ができてしまいます。

人が出入りする窓は仕方ないにしても、できるだけその他の窓は縦か横に開ける窓にしましょう。

防犯面で、シャッターを付けようと思うと引き違い窓になってしまいますが・・・。

高気密・高断熱の家にすると、家中が少しのエネルギーで快適になります。

快適であることは、健康の保持に繋がります。

それは即ち、安全・安心な家になるのです。

防犯面・防災面・健康面の各方面で、安全・安心な家を造りましょう。

人生の基盤は家です。

絶対に人生が豊かになるはずです。

そんな生き様は如何ですか?

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